2007年11月11日日曜日

タワーマンション・ライフ(17)微風、強風


何かの拍子に、ボクが43階に住んでいることを知った人が、最初にボクにする質問が「風がキツイでしょうねえ。洗濯物なんか、どうしているんですか?」というものだ。確かに、入居する前のボクも気になっていたのだから、だれでも知りたい事柄のようだ。

ところが、実際に住んでみると、ぜ~んぜん、フツーのマンションのベランダと変わらないのだ。そりゃ、台風だの強風注意報発令中だのと言った日は、ものすごい風なんだけど、それはタワーマンションに限らずどこのマンションだってベランダで洗濯物を干している場合ではないだろう。

タワーマンションの高層階は、確かにさえぎるものがなく、モロに風が吹き付けることは事実であり、風の強い日はベランダに出るどころではなく、ベランダの手すりや、最上階から1階までストンと取り付けられた何本かの雨樋などが、ぴゅーぴゅーと風の音を吹き散らす。ガスコンロの上の換気扇からも、ゴーゴーと音が漏れてくる。もちろん、ベランダに置いてある。鉢植えや洗濯物は絶対取り込んでおかないと、落下すると道路を走っている自動車や人にでも当たったら大変な事故になるし、洗濯物など、どこに飛んで行ったか予想もできないので、二度と手元にもどってくることはない。ベランダに出るとき使っていたスリッパも、翌日跡形もなく消えていることに気がつくこともしばしばだ。

それより、窓の外を見ると、市街地に上空から滝のような雨が降り注いでいる状況をま近に見ることができるし、ガラス戸の外が雲のような白い霧に囲まれ、高層ビルのてっぺんだけが雲の上にそびえているという幻想的な風景が見られることもあるのだ。特に、雷の激しい夜などは、多くの稲妻が天と地をつないで放電し、怖いけどすごい見ものでもある。

しかし、そういう特別な日を除くと、ササーと流れる風は結構気持ちが良い。なんたって、風の通り道を乱すモノがぜんぜんないので、気流がとてもきれいのだ。そのためか、ササーという安定した風が通り過ぎる。夏の夕暮れなんかは、この風が風呂上りの体にとても気持ちが良い。映画タイタニックで見た、汽船の船首に立って進行方向からの安定した風を受け、大海原を公開しているような気持ちになる。

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