2007年12月21日金曜日

タワーマンション・ライフ(41)たまには美術鑑賞



秋はもう通り過ぎてしまったが、自宅マンションの近くを散歩していて国際国立美術館の横を通ったとき、次々と人が入管しているので、ひょいと見ると開館30周年記念のコレクション特集をやっていた。

これまで、あまり絵画を鑑賞する機会もなかったので、今日はチャンスだとばかり、ボクも鑑賞することにした。

この美術館は、これまで千里の万博公園にあったのだけど、3年前に中之島に移転新築されたもので、地上は金属製のモニュメントだけで、建物はすべて地下という構造。穴を掘るだけで、建物が要らなかったから安く建設できたのかな?と勘ぐってみる。

今日は、ピカソやセザンヌ、藤田、佐伯祐三、デュシャンなどの近代絵画がB2階,B3階に渡って展示されていたが、結構大作が多く歩き疲れた。

残念ながら、ほとんどが近代抽象画で、ボクにはよく分からんものが多かった。

う~ん、と頭をひねりながら絵を眺めていると、先日見た刑事コロンボの映画を思い出した。

コロンボが美術店に聞き込みに行って抽象作品を見ていたがさっぱり分からず、値段を聞いてびっくりしていた。そのとき「こちらの絵はいくら?」と、通風孔の吸入口を指差して、係員の失笑を買っていた。

ボクも、眺めている絵の横の鉄製のドアにやたら親近感を抱いて、我ながらおかしかった。

それにしても、大きなキャンバスに盛り上がったように色が塗ってある絵を見て、絵の具代を心配をしたり、額のほうが絵よりも高いのではないかと考えたり、絵画そのものから感動を受けることはあまりなかったが、結構いろいろと考えさせられた。

極めつけは、彫刻のコーナーにあった。赤いコカコーラの段ボール箱に新聞が丸めこんであった作品だ。(というか、作品だと思う。)なんじゃ、これは?

まあ、絵を見て自由に思考を巡らせるのが、抽象絵画の一つの目的かもしれないが、こんな大きな施設を建設して、訳の分からん絵を大事そうに展示していることや、絵の説明文も、後から無理やり説明しているような気がしたことや、その絵を描いた画家に「よかったね。あんたはまだ正常です」と言われているような感じがした。

まあ、外国人が雑音と思っている蝉の声に日本人が聞きほれている位だから、文化や民族によって求める感性が違うのだと思うけど、日本人が描いた絵も訳が分からん。多分、日本で絵画の勉強して芽が出ず、思い切ってフランスに渡ったが、フランス人らの抽象画を見て衝撃を受け、やけくそで誰にも理解でんじゃろうと思って書きなぐった絵がこれなんだろう。とでも思わないと、入場料を払って何の感動も受けなかったことに腹が立つ。

このように、自分の正常な感覚を再認識させてくれる美術館など、自宅の近くにあれば脳の定期健診の一環として役立つこと、請け合いだ。

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